1990年代 ビンテージデニムのブームは日本から起こった
1990年代のこと フランスや日本で1950年代の古いリーバイス501が注目され始めます。日本では古着が市民権を得てファッションの一ジャンルを形成し始めた頃のことです。古着でアメリカの1950年代の衣類が注目され始めるなかで当然ジーンズも脚光を浴びるようになります。当時は「オールド」と呼ばれたビンテージリーバイスにスポットが当たり始めると1990年半ばにはビンテージ501でなければジーンズでないというような熱狂的な流行が巻き起こります。国内のディーラーはこぞってアメリカ本土でデッドストックや古着の501XXを手に入れストックします。まだ当時アメリカでは古い501はさほど価値が認められていなかったため売れ残った在庫などがショップの倉庫に多く眠っていました。デッドストックと呼ばれる未使用品は当時の日本がアメリカ国内から集めてきたものも多いのです。そうして日本には良いビンテージ501XXが集まりました。世界的に見ても日本ほどコンディションのよい501XXが存在する国もありません。本国アメリカよりも日本によい物があると思います。こうして501XXの価格は高騰していき、入手はますます困難になっていきました。
世界を魅了するジャパンデニムの誕生
その流れにインスパイアされる形で日本のアパレル界で一つの潮流が起こります。いくつかのメーカーが緻密で繊細な感性でビンテージを再現した製品をリリースしたのです。これがビンテージブームとは別の潮流として多くのデニム愛好家に熱狂的に愛されます。結果2000年代初頭ジャパンデニムはその高い再現性をもって世界中で脚光を浴びることになります。当時本家のリーバイスは廉価で丈夫なデニムパンツを生産していましたがリーバイスの合理的に生産された均一なプロダクトに飽き足りないユーザーはやや歪な温もりの感じられるビンテージの風合を持つ日本の製品に魅力を見出したのです。
世界のユーザーは古きよき時代のデニムを再現したジャパンデニムに注目するようになります
リバイス社 ジャパンデニムに対して商標権侵害で提訴
再現性を極めながらジャパンデニムがさらなる高みを目指していた2007年衝撃の事件が起こります。
ビンテージの再現性について本家リーバイス社から訴訟を起こされたのです。簡単に言うとデザインが類似した商品が販売された事により商標権が侵害されたというものです。具体的にはバックポケットのステッチやタブについての商標登録を侵害されたという主張でした。当時本家リーバイスは大量生産でモダンなデニムを安価で製造する合理的なスタイルとなっていました。しかし販売は芳しくなく新進の他社にシェアを奪われつつありました。そのタイミングで急成長の日本企業を中心に10数社を相手取り商標権侵害で訴えたのです。
アーキュエイトステッチとレッドタブはリーバイスのもの自社の50年前の製品を再現するジャパンデニムに規制をかけ販売停止を求めます。
提訴や和解のプロセスは複雑ですが2007年をもってジャパンデニムは姿を変えることになりました
アーキュエイトステッチ、赤いタブはリーバイス社によって商標登録されたものでしたから各メーカーはアーキュエイトステッチ、赤タブ仕様のデニムを販売しなくなりました。燃え上がる火に水を差されたジャパンデニムは沈黙の?時代を送ることになるのです。
ユーザーもメーカーもエンスーの絶頂を迎えていたブームの出来事でしたから当時は大ニュースになりました。大企業であるリーバイス社が大人気ないように感じた人も少なからずいました。またリーバイスは501XXなどの自社の古いデニムへの人気や価値を理解していなかったようです。本気で本家が501XXのリバイバルを企てたなら日本企業と提携していたかも知れません。リーバイス傘下で製造する日本のメーカーが出ても面白かったかも💦
現在も品質の高いデニムを生産し世界にも認められ新たな世界を創造しています。誇り高きジャパンデニムよ!永遠なれ💛
注 本文はレプリカという表現はあえて使用していません(^_-)-☆
コメント
このことは覚えています。でもというか、矢張りというかこれはデザインの剽窃に当たるので、仕方ないと思います。