ヴィンテージさながらのオーラを放つジャストなマイサイズなデニム。
それが世界で一本の、自分のためだけに縫い上げられたデニムであるとすればどうでしょう?
そんな贅沢な願いを実現してくれるデニム工房が鳥取県にあります。
世界にも類を見ないヴィンテージスタイルをオーダーで縫うデニム職人
2020年大山麓ののどかな山間にデニム工房【Bridge of the times】を立ち上げた竹永正俊氏。
オーダーでデニム製作をするというシステムで人気を集めています。
彼の製作するデニムはヴィンテージリーバイス501xxを忠実に再現したもので、生地やリベットなどの副資材、縫製など細部にまで拘ったオリジナルの復刻を目指したデニムです。彼の縫うヴィンテージスタイルのデニムはクオリティーの高さで静かな人気を集めています。
ヴィンテージの持つ魅力を最大限引き出すためにヴィンテージミシンを使用するスタイル
ビンテージ501XXの中でも1940年代に製品化された501XXはその他の時代の製品とは異なる魅力があります。
ワークウェアとして完成されたプロダクツでありながら素朴で大らかなオーラを放ちます。
原材料となる綿糸、生地の織り方、裁断方法、縫製に使用する綿糸、そしてミシンなど様々な要因が醸し出す風合です。
竹永さんはできるだけ当時と同じ環境で縫製したいというこだわりからアメリカ製のビンテージミシンを何台も買い集めヴィンテージに迫ろう日々研究と研鑽を重ねています。
オンラインでは手にすることができないという時代の流れに逆らう生産スタイルには訳がある
BOTのデニムを手にするのは高いハードルがあるのです。
消費地である大都市部から決してアクセスのよいとはいえない鳥取県の工房を訪れて初めて注文できるのです。
オンラインやメールでの購入ができないというマーケティングを無視した販売方法を採っています。
作り手とユーザーが直接顔を合わせてはじめて一本のデニムが製作される。
これは竹永氏の譲ることのできないこだわりだそうです。
オンラインでの販売が普及した現在では異色ともいえるスタイルですが、逆にこれがBOTの人気を高めていると言えるでしょう。
あらゆる製品において作り手の顔の見える製品の存在がなくなった現在、ユーザーは価格の安さやステイタスなどに魅力を感じて購入を決断するようになりました。
より安価に購入できるサイトを探し、転売されるようなレアで人気のある商品を求める。
彼はそんな消費スタイルにNOを突き付けているようにも感じます。
顔の見えるデニムには大量生産された製品にはない魅力がある
デニムとは本来ワークウェアであり作り手の顔の見えるものではありません。
あくまでハードな使用に耐えうる強靭な工業製品として世に広まったものです。
しかしヴィンテージとしてのデニムの魅力は強靭な工業製品としてではなく、その一本を穿いて生活していた人の息吹をデニムの色落ちに感じるところにあります。
またデッドストックにしてもどんな環境で70年穿かれることもなく過ごしてきたのかというそのデニムのストーリーも濃紺の姿に付加価値を与えるのです。
とすれば現在生産されるヴィンテージスタイルのデニムに与えられる付加価値とはどのようなものでしょうか。
それは限りなく高い再現性であったり、逆に若干のオリジナルティーを持たせた差異化であったり、またあるものは希少性であったりします。
BOTのデニムには工房で交わした彼との会話から感じた職人としてのプライドとそれ以上に満足してもらいたいという彼の思いを感じることができます。
ミシンの前に座る竹永氏との会話や細かいオーダーを受けてくれた時の表情が加味されているのです。
工房で出会った竹永氏は気負いもなく飾らない人柄で親しみの持てる方でした。
彼が自分のために縫ってくれたデニムを穿く度に彼の顔が浮かびます。
色落ちして雰囲気の良いアタリが出てくると満足そうな彼を思います。
2021年夏 リニューアルとなったBOT 【完全なオーダーメイドによるデニム】
BOTも2年目を迎えた2021年夏、完全なオーダーによる生産となりました。
これまで通り1940年代ヴィンテージデニムの時期ごとの仕様を踏まえつつ型紙からディテールまでユーザーの細かい注文に対応できるオーダースタイルになります。
リーバイスの501XXには37モデル・大戦モデル・46モデル・47モデルと呼ばれるヴィンテージのカテゴリーが存在しますが全てに対応できるということでした。
- 1900年代初頭のサスペンダーボタン
- 1930年代大戦期以前に存在したバックルバック・股リベット
- 大戦期だけに存在する多種なレアな仕様
- 大戦期直後に存在する非常にレアな仕様
- 1940年代後半の片面タブの黄金期
各時代のモデルについて細かい設定をオーダーできるだけでも自分のスタイルにジャストなデニムが手に入れることができるでしょう。
実は、大戦はちょっと太いんだよな、とか
太目で短めのバックルバックが欲しいよな、とか
微妙な好みがありますよね。
リニューアルとなったBOTはそんな悩みを解決してくれます。
さまざまなヴィンテージのデニムをオーダーで再現してくれるB.O.T
1900年代初頭までのサスペンダーでデニムを着用するスタイルが再び注目されつつある今このタイプの製作も可能です。
大戦期までのバックルバック・股リベットのモデルも製作。
いわゆる1933や1937であるがシルエットなどは黄金期をベースにした穿きやすいものがベース。
ワタリを広くするなど個々に応じたカスタムは可能なため自分だけの太めのシルエットの1930年代モデルなども手に入れることができる。
大戦モデルを生地から開発して製作開始するというプロジェクトを予定
2021年秋から製作を予定している大戦モデルは原糸から開発したオリジナル生地を使用する気合の入ったモデル。
この大戦モデル企画には筆者所有のヴィンテージリーバイスオリジナル大戦モデルが一役買っています。
まとめ 究極のマイデニム ヴィンテージスタイルのデニムを自分好みにカスタムできるデニム工房 B.O.T
超レアなバックルバックの大戦モデルなど、あくまでユーザーの嗜好を尊重して製作するスタイル。
世界に一本しかないヴィンテージさながらの一本を手にすることができるというわけです
居住地によれば工房に訪れるというハードルは非常に高いものであるが、現在東京からのオーダーもあるそうです。
今後が楽しみなデニムですね。
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