ヴィンテージオリジナル大戦モデルに見る理想の色落ちと経年変化

リーバイス
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デニムの愉しみ方は十人十色であり唯一の正解などないことを最初にお断りしておきます。あくまで筆者個人の好み、趣向についての話になります。

リーバイス501を穿き始めてもう40年以上が過ぎました。最初に買った501は66後期でした。地方都市のジーンズショップの棚にはずらりと501が積み上げられておりました。大量に買っておけばよかった((+_+))

近年手に入れたのが画像のS501XX。1944年製と思われる大戦モデルです。濃紺の47モデルも美しいものですが、この大戦モデルの経年変化と風合いの味わいにヤラレてしまいました。これ以上色落ちさせたくないし穿きたいし困ったものです。

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ヴィンテージ大戦モデル リーバイス S501XXの魅力

やや厚手でざらつき感のある「大戦生地」が用いられたS501XX

S501XX

大戦モデルというのは仕様がさまざまです。

第二次世界大戦の物資統制の影響を受け、本来の材料や技術を十分に活用できない不自由な社会情勢の中、生産された501XX。戦前とは異なる仕様や不安定な縫製などに当時が垣間見られます。

第二次世界大戦中、リーバイスも物資統制によって不本意な材料を使用せざる得ない状況に追いこまれます。

当時一般的にワークウェアに汎用されていた廉価な材料であるヘリンボーン生地、月桂樹ボタン、ドーナツボタン、刻印の無いリベットを流用して生産されたのがS501XX。

Simplified(簡素化された)501XXです。

これらの汎用資材を使用せざるをえなかった状況下、ワークウエアーのトップメーカーとしての矜持をもってせめて丈夫なデニムを使用しようと厚手の「大戦生地」が使用されたという説もあります。

その真偽のほどは分かりませんが大戦期にはザラツキの強い染色の異なる「大戦生地」が存在します

アタリが出るのが比較的早いと推察される大戦生地が見せる「荒々しい」と評される経年変化

S501XX

ヴィンテージならではのオーラを放っています。現代に生産されたデニムをラフに穿き込んでもなかなかこういう雰囲気は出せないのです((+_+))

50年代になるとデニムもファッションとしての要素が大きくなり、ワークウェア本来のラフな穿き方をされる割合が下がっていきます。

しかし40年代までは生粋のワークウエアでした。よい状態で現存する40年代のヴィンテージは何らかの理由で短期間しか着用されていないと考えるのが自然です。

新品を購入してそのまま仕事着として着用、汚れて洗濯したら縮んで着用に適さなくなって放置💦

糊が付いたまんまヒゲ・ハチノスが出るまで穿き込んでワンウォッシュ!という501XXがコンディションのよいヴィンテージ、というわけです。

40年代のものに激しいヒゲ・ハチノスが多いのはそういうことではないかと推察しています。

フロントには大きなダメージはないもののヒゲがそこそこ入っていますし、ポケットの口にも擦れが見られます。

S501XX

コインポケットは使用されなかったのでしょうか。リベットがなく弱いステッチも健在👀

S501XX

耳のアタリの中央部、アウトシームの見られる連続した点は耳を縫い合わせた糸のアタリです👀

どういうわけか極太の番手の糸で縫製されています。まれにこういうものが存在するようです。

S501XX

やや擦れはあるもののステッチは健在👀生地の組成がよくわかりますね。

ムラのある糸が強めに撚られて織られています。大戦生地特有のザラツキがあります。

フロントに比べてダメージの見られるバック👀ヒップ全体に擦れが発生しています。

特徴的なのはポケット上部の擦れ。ステッチは左右ともかなり傷んで切れています。下側よりも上部のダメージが顕著👀

S501XX

現代の一般的な着用では想像できない経年変化です。

1940年代に誰が穿いたS501XXなのか カウボーイが穿いた大戦モデル

あくまで仮説ですがウエスタンサドルと呼ばれるカーボウイが使用する乗馬用の鞍の形状ではバックポケットが擦れるためこうなるのではないかと推測します。

古い西部で使用されたサドル
S501XX
S501XX

そう考えるとフロントに比べてヒップに擦れが発生しているのも頷けます。

S501XX

さらにヒップ下のマッチ痕もカーボウイの着用を連想させます。

S501XX

1940年代リーバイスはゴールドラッシュと期を一にしてワークウエアメーカーの雄としての地位を確立しましたが西海岸が中心のマーケットで東部への進出を果たしていませんでした。

ですから大戦モデルの大部分は西部で消費されたと考えられます。この一本も西部のヘビースモーカーのカーボウイ所有のものだったのではないかと想像して楽しんでいます。

S501XX

各メーカーが鎬を削る大戦モデルのマーケットに見る名作デニム ウエアハウス デッドストックブルーDSB S1000XX ダックディガーDD S1003XX

501ばかり穿いてきた筆者が近年毎日穿いているのは国産のデニムです。新品を買って穿いていた66やのちに手に入れた501XX、ビッグEに近い風合いを持つウエアハウスを愛用しています。

ダックディガーシリーズDD1003SXX・DD1000XXを穿き込んでいます。経年変化はコチラ

ウエアハウスの話題作デッドストックブルー大戦モデル S1000XXをこのオリジナルのように色落ちさせて楽しんでいます。かなり満足いくエイジングとなっています。

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