大戦モデル以前のクラシカルなリーバイス501XXを分かりやすく説明
19世紀 ヨーロッパから多くの移民が目指した夢の大陸「アメリカ」
ドイツからアメリカ西海岸を目指して「リーバイ・ストラウス」が渡米したのは1958年のこと
サンフランシスコで雑貨商として鉱山で働く男たちのための丈夫なワークパンツを生産を開始します
試行錯誤の末デニム生地を使用した耐久性の高いパンツはワークウェアとしての人気を獲得します
金属のリベットで補強された頑強なワークパンツ 501
そのデニムパンツの人気を決定的なものにしたのは「ヤコブ・デイビス」の革新的アイデア
仕立て屋の彼は規制概念を打破したポケットに金属製のリベットを穿つというものでした
リーバイストラウスとヤコブデイビスは共同でリベットの使用における特許を取得します
これが501のシンボルとなりました
最初の「501」は1890年に誕生したワンポケット
こうして1890年に「リーバイス501」は誕生したのです
ポケットをリベットで補強されたデニムで作られたワークパンツです
現在知られる501とは異なりバックポケットは右側のみにリベットで取り付けられています
サスペンダーが一般的でベルトループはなくバックルで絞めてサイズを調整するというものでした
5ポケットが全盛の現在、潔いスタイルに新鮮な印象を受けます
デニムをインディゴで染めさせたのはガラガラヘビだった
デニムをインディゴで染めたのはガラガラヘビへの忌避効果を期待したものと言われています
アメリカ西海岸の鉱山にはガラガラヘビが生息し鉱夫の脅威となっていました
古来より世界各地に存在するインディゴ染めには防虫や滅菌などの効果がありました
ここではガラガラヘビに対する忌避効果を期待したものでした
効果のほどは定かではありませんが継続して染色されたことから必要性があったと思われます
なんといっても当時の501は実用性のみで評価されるワークウェアであったのです
バックポケットが二つになった501
生地の供給元がアモスケイグ社に変わりコーンミルズ社ホワイトオーク工場に変わったのが1915年
この頃にはバックポケットが左右に取り付けられた現在の姿に近い501となっています
しかしいまだベルトループはなくサスペンダーボタンが取り付けられたスタイルです
ちなみに2017年にコーンミルズ社ホワイトオーク工場は閉鎖となりました
100年以上にわたるコーンミルホワイトオーク社のデニムで作られた501の歴史は終焉を迎えます
この件については後日詳しく記事を書く予定です
ベルトループが取り付けられた1933と呼ばれる501
未曾有の不況が世界を襲う「世界恐慌」が1929年
世界恐慌の中リーバイスは初めてベルトループを付けたモデルを販売することになります
若い世代は伝統的なサスペンダーを使用しなくなっていたのです
消費者対策としてベルトループとボタンの両方を備えた501が販売されました
若い世代はバックルを根本でカットして着用することが多かったためショップにはハサミがあったとか
古い501のバックルが少なからずカットされているのはこういう時代背景によるものなんですね
それって若いユーザーの501だったのかも知れませんね
サスペンダーボタンがなくなりレッドタブが縫い付けられた1937
世界恐慌から立ち直りつつあったアメリカにゴールデンゲートブリッジが完成したのが1937年
1936年他社製品との差別化のために501に初めてレッドタブが縫い付けられました
1937年にはサスペンダーボタンが消えシンチバックのみとなります
そして隠しリベットが採用されたのです
家具や馬具を傷つけるというクレーム対策としてリベットをバックポケット内側に取り付けたのです
1940年代~1950年代501の黄金期の大きなシンボルともいえるスペックの源流です
紙でできたフラッシャーが採用されたのもこの時でした
フラッシャーには矢印と共に「The Rivet’s Still There」とあります
リベットの存在がいかに大きかったかを伺うことができます
第二次世界大戦中に生まれた501XXは特別な存在
1937モデルで現在知られるポピュラーなスタイルとなった501XXですが
シンチバックとフロント前立て下部のリベットはクラシカルな仕様と認識されていますね
股のリベットは焚火で熱くなり股間にダメージを与えるというクレームから廃止されたとか(*ノωノ)
サスペンダーボタン・股のリベット共に第二次世界大戦下1944年モデルからは廃止されることになり
現在501XXの最高峰とされるS501XXが生まれることになります
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