デッドストックブルーの色落ち 1000時間の経年変化

ウエアハウスDSB S1000XX ウエアハウス
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昨年秋から発売予告されたウエアハウスデッドストックブルーは大きな話題となりました。人気のメーカーが満を持してリリースする自信作ということもあって予約が殺到。商品を手にするまでにかなり時間がかかったユーザーも多かったのではないでしょうか。

ディテールの細部までこだわって高い再現性を実現したデッドストックブルーですが意外にこのレーベルの本質である染色についてのコメントが少ない気がします。

デッドストックブルーはデッドストックのまま長い年月が経過しインディゴが酸化して見せる独特の色調を再現すべく酸化デニムの生地を使用しました。

ウエアハウスはこれまでにも幾度か酸化デニムを製品化してきたが周年モデルなど限定的な販売でしたね。

今回は「デッドストックブルー」を自社の最高レーベルの位置づけとし定番商品としてリリースしましたね。それはまぎれもなく自社の商品開発への誇りと自信の表れではないでしょうか。

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酸化デニムはウエアハウスの伝統芸

1940年代の501XX
ウエアハウス大阪店のショーケースには素晴らしいヴィンテージが並ぶ

リーバイス501XXへのリスペクトから製品化されるデニムは世界に溢れていますが、再現性においてはジャパンデニムの独壇場です。


さまざまなメーカーやブランドがありますが個人的にはウエアハウスの製品ラインナップにもっとも惹かれます。
それは生地の多彩なバリエーションです。リベットやボタンにおける再現性もさることながらやはりデニムは生地が大切です。

高価でありながらその生地が??となるメーカーもある中で、ウエアハウスの各シリーズは時代考証に忠実にデニムの糸から再現されています。


また染色にも拘りが強く表れていて2021春にリリースされた1915など天然インディゴを50%使用するなど他のメーカーとは一線を画した商品を開発し続けています。

これまで酸化デニムは周年モデルなど限定的に発売されてきました。一般に認識されてきたインディゴゴブルーに比べるとビンテージ特有の色合い「くすみ」を再現しているため、新品を購入するユーザーの反応はさまざまだったのではないでしょうか。


しかし時代はビンテージの高い再現性を追究する流れにあります。


そこで縫製や副資材などの副次的なものではなくデニム生地そのものを再現するための手法として「酸化剤を使用した酸化デニム」の開発に取り組んできた軌跡を今回のデッドストックブルーのレーベル化で昇華させたといえますね。

インディゴ染は酸化染色

デッドストックブルーの色落ちと経年変化 S501XXとDSB S1000XX
色落ちしたインディゴのくすみ S501XXとDSB S1000XX


そもそもインディゴという染料は、天然、人工にかかわらず酸化させて糸に色を定着させるという効率の良くない染色なんですね。

黄褐色の染料が空気に触れ酸化してあのインディゴブルーが発色するんですが、それも染まるというよりごく細かい粒子が糸に絡みついているイメージです。ですから洗濯で他の洗濯ものに色移りしたり色落ちしていくわけです。
ですから製品として出来上がったばかりの糸はまだ酸化しきっていない成分も少なからずあってファーストウォッシュで落ちていくわけです。


一方デッドストックとして数十年も在庫として残ったデニムは経年変化で酸化が進行してインディゴの色味に変化が出ます。日本では古来「藍枯れ」といって数年寝かせた藍染を珍重していました。

その色味は銀色を帯びるというか「くすむ」という表現がぴったりくる気がします。鮮やかな発色でなく陰のある色味に変化します。
コンディションの良いビンテージの501XXにはこの「くすみ」を見ることができます。

デッドストックブルーの色落ちはいかに!?


デッドストックブルーは販売されてまだ日が浅く、当初ショップにも色落ちサンプルもなかったような状態でしたから未知数でした。
わが家のS1000XXは穿き込みから2ヶ月が経過しましたが、印象としては色落ちがやや早いのでは?という感じもしますがアタリなどは出にくい気もします。そこで約1000時間穿いたS1000XXを洗濯してみることにしました。

デッドストックブルーの洗濯方法

デッドストックブルーはウエアハウス渾身の最高レーベルです。酸化デニムといった手の込んだ染色方法でビンテージの持つ「くすみ」を再現しています。

酸化デニムを有リン酸リン系の洗剤で洗濯すると酸化剤が剥離しやすいという説があります。現在は有リン酸系の洗剤は稀なので一般的には問題ないかと思いますが、ファーストウォッシュとなる今回は実験的に水だけで洗うことにしました。

洗剤をあえて使用せずに洗濯してみることに

デッドストックブルーS1000XX 

画像でデニムの実際の色調を再現するのは大変難しく実物より青みが強く出ていますが、なかなかいい感じになりました。

右バックポケット

やはり変化は少なく1000時間でこんな感じですからじっくり穿き込むことができるデニムですね。

左ひざ上

生地が厚手でごわつきが強いためでしょうか、糊付けをしたような色落ちをします。

マッチの擦りあとが確認できます

デッドストックブルーの色落ち 1000時間着用で経年変化はコレ

ビンテージのs501XXにあるマッチの擦りあとを再現しています。

ビンテージのS501XXにあるように再現してみました

裾はまだ変化がさほどみられません

未知数ながら期待できるデッドストックブルーの色落ち

わずか1000時間程度ではまだ酸化デニムであるデッドストックブルーの真価はまだ発揮されていませんね。これから随時更新していきますのでお楽しみに(^_-)-☆

なお画像の色調は実物とは異なります。Youtubeはもう少しリアルなトーンに調整できていますのでご覧ください。

2000時間経過後のセカンドウォッシュについて記事と動画もご覧ください👇

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