デッドストックブルーの色落ち 経年変化【2000時間でここまで色落ちした】
糊落としから1000時間でファーストウォッシュを済ませて以来2ヶ月毎日の着用で2000時間経過したデッドストックブルー大戦モデル S1000XX
オリジナルのS501XXにかなり迫りそうな楽しみなウエアハウスの力作です。ファーストウォッシュから1000時間の追加で全体に色落ちは進みましたが最初の印象とは異なりゆっくりとした色落ちのように感じています。一方でパッカリングやアタリなどの経年変化は現れてきています。起きてから寝るまで、時にはバンライフでそのまま寝たり、作業などでも着用しているので結構ハードな着用状況です。
デニムの洗濯の目的は汚れを落とすだけではないという事実
さほど汚れているわけではありませんが、生地がかなりゆるんできました。水を通して締まり穿いて緩む、を繰り返してデニムは穿く人の個性を表現します。”shrink to fit”ですね。
締める意味合いも込めて二回目の洗濯を行いました。着用していると綿であるデニムは繊維が伸びてきます。生地は緩むと強度が低下してダメージを受けやすくなりますが伸びた生地を洗濯することで生地の強度が戻るという効果があります。けっして汚れを落とすだけが洗濯の効能ではないんです
水だけで洗うというのはヴィンテージではノーマルなメソッド
前回は洗剤を使用していませんので今回も洗剤なしで洗いました。ヴィンテージ好きなら違和感はないと思いますが洗剤を使わないのは?って感じでしょうね。現在は高級なデニム専用洗剤もありますし宣伝相応の効果もあるようですが昔からヴィンテージのデニムを穿いているものとしては「ヴィンテージは水で洗う」そんな感覚の延長でこのデッドストックブルーは実験的に水だけで洗ってみます。のちのちは色落ちにも何らの影響が出ると思っています。
洗剤なしで5分間洗い、脱水7分したものを天日で干しました
下の画像からかなり生地が締まったのが画像から見てとれると思います
話は脱線しますがヴィンテージデニムの色落ちはその時代の生活を表しています。アメリカで乾燥機が普及したのは1950年代半ば以降で1940年代には乾燥機は使用されていません。乾燥機の普及で革パッチが縮むようになり対策として紙パッチが考案されたのです。
デッドストックブルーは酸化デニムで洗剤によっては色落ちが変化するという説もあります。特に気にする必要もないとは思いますが実験的に洗剤なしで行けるところまで行ってみるつもりです。それにしてもこのデッドストックブルーの完成度はかなり高いのではないでしょうか。これまでに所有してきた1940年代のオリジナルの生地の風合に限りなく近いと感じています。25年以上ウエアハウスを取り扱ってきたショップのご主人も高い評価をされていました。
発売当初は「青い」という印象を多くのユーザーが持ちましたが、いまは「青い」という感覚は穿き込んできた製品との相対評価であったような気がしています。それまで最上位レーベルであったダックディガーWWⅡデニムは「どす黒い」インディゴブルーでした。それに馴染んだ我々の眼にはデッドストックブルーは青いインディゴに見えたのかもしれません
2000時間の経年変化
ダックディガーでは洗うたびに色落ちに顕著な変化を感じましたし、それはそれで楽しくはありました。一方こちらは1000時間の時と比較して劇的な色落ちなどの変化は見られません。
またヒゲの感じが丸みを帯びています。「丸み」とは拙い表現ですがメリハリが出にくい感じといえばわかりやすいでしょうか。白とインディゴの明暗差が大きい色落ちを「メリハリのある」色落ちと表現するなら「メリハリ」は出にくいように感じます。近年デニムの糊付けが流行ったり「メリハリ」を求める愛好家が増えました。デニムメーカーもニーズに応える流れがあったような気がします。
しかしデッドストックブルーではウエアハウスはインスタントな変化ではなくあくまでヴィンテージデニムの持つ質感・色合いを追求したのではないでしょうか。
縦糸と横糸それぞれの撚りの強さ、打ち込みの加減など生地の風合、なにより酸化デニムというこだわりの染色がもたらす色合い、これらがヴィンテージデニムさながらの経年変化を与えるのでしょう。
上の画像では圧のかかる箇所には斜めの綾が顕れているがその他の箇所では縦糸は潰れていません。デニムは綾織りではあるが綾目が全面に出るとヴィンテージらしさは損なわれます。あくまで点がつながるような縦に流れる縦落ちが生命線ですね。
こちらは無理をお願いしてオリジナルのヴィンテージS501XXを再現してもらった処理
手間とコストのかかるベジタブルタンニングで鞣された鹿革のパッチは最初のお湯でインクが落ちて今回の洗濯でシボが追加されオリジナルさながらの風情です。
色落ちを決定する大きな要因の一つ 「中白」
ダックディガーのWWⅡデニムは素晴らしくめりはりある色落ちをしました。縦糸の染色状態に着目して開発された生地が功を奏したのでしょう。「中白」の加減が絶妙で表面が磨滅することで中の白く染まっていない綿糸が顔を出すことでめりはりが付きやすかったのだと思っています。
デッドストックブルーの大戦生地はもう少し芯までインディゴが浸透しているのではないでしょうか。ですから多少擦れた部分でも白い色落ちにはなりにくいように思います。じっくりと穿き込んで長くいい状態を楽しめる、そんな気がしています。
発売から年月が経過していませんので歴史あるバナーデニムのような決定的な評価は出ていませんがビンテージデニムが好きな者にとってはデッドストックブルーシリーズは今後目の離せない存在ですね。
最新のデッドストックブルーは47モデルの銅ボタンというレアな個体をサンプリング
最新のデッドストックブルーは銅ボタンの47モデル。こちらはシリーズで最も細身のシルエットが魅力ですね。47モデルですので最初のデッドストックブルーとしてもおススメです。
1000時間経過でファーストウォッシュを行ったDSB S1000XXはこちらの記事で紹介しています👇
洗剤を使用する場合、ヴィンテージ系の色落ちを狙うならコチラをおススメします👇安いし食器も洗えます(^^♪
またとにかく色を落としたくないという場合にはウエアハウスの「デニムウォッシュヴィンテージ」は超おススメです。
コメント