アメカジのトータルブランドとして人気のウエアハウス。
そのデニムのラインにおいて2020年冬発表されて最高峰に位置づけられたデッドストックブルー。
時が過ぎレーベルに対する評価も出てきたと思われます。
またこれまでトップに君臨したダックディガーの位置づけは今後どうなるのでしょうか。
今回はそんな視点で二つのレーベルを見てみましょう。
「デッドストックブルー」「ダックディガー」 二つのレーベルの特徴を知る
「ダックディガー」の本質は実在するユニークなヴィンテージ個体の再現
実存するヴィンテージをとことんリアルに再現を追究することをレーベルの本質として人気を博してきたのが「ダックディガー」。
個性豊かなヴィンテージと同じ仕様のデニムを身近に感じ、身に着けることが出来るという画期的なプロジェクトで長年ウエアハウスの最高位レーベルとして愛されてきました。
ヴィンテージファンに人気のある大戦モデルやさらに古い時代のバックルバックモデル。スモールボタンのジャケットなどなど。
なかなかお目にかかることもできないようなヴィンテージファン垂涎のレアな個体や仕様のデニムを忠実に再現し提示してきてくれました。
45年モデルでありながら大戦期の特徴の一つであるコインポケットのリベットが穿たれたものを再現したDDS1003XXは名作の一つです。
ヴィンテージではお目にかかることすら困難なレアモデルを再現したところに存在価値がありました。
また一方で時代の要求を汲んだ色落ちを実現した生地の開発にも余念がなかったため人気を集めました。
ヴィンテージの知識はなくとも視覚的に魅力のあるモデルを多く輩出してきたダックディガーは、憧れのヴィンテージを纏う気分を味わえる筆者もお気に入りのレーベルです。
デッドストックブルーがリリースされてからも定番化された名品はリリースされ続け、在庫が瞬く間になくなる状態です。
バナーデニムなどの色落ちに定評ある生地を使用しデッドストックブルーラインとは異なる製品群で存在感は衰えていません。
デッドストックブルーの本質はヴィンテージと同じ風合いのデニムの再現
2020年「デッドストックブルー」というネーミングも多大なインパクトを持つ新レーベル。創業者の塩谷兄弟をしてこれ以上のものはないと言わしめた完成度を持つプロダクツが現れました。
発売前からデニム界にセンセーションを巻き起こし、予約だけでバックオーダーを抱えるほどの人気を博すことになります。大戦モデルと46モデルのセットアップ、2本のパンツと2着のジャケットがレギュラーとしてリリースされました。
期待が大きかっただけに実物を手にしたユーザーの当初の反応は微妙なものでもあったことも否めませんでした。「思ったより色が青い」というインプレッションがネット上に多く見られました。
ヴィンテージの色調は「深みのあるくすんだインディゴカラー」
デッドストックやワンウォッシュのものを見た感想として実際のヴィンテージの色味はイメージとは異なったものであると感じます。
イメージとしてインディゴの色味が深い、濃いい、ドス黒いなどの表現がありますが、実際にはくすんだ深みのあるインディゴブルーとでも表現される色調です。
デッドストックブルーの表現したのはまさに「リアルヴィンテージ」の色調であり「色落ち」だと思います。
実際に穿き込んできた大戦モデルの表情はリアルヴィンテージと見まがうレベルです👀
穿き込んでいくことでリアルなヴィンテージの風合が再現されていくところがデッドストックブルーの魅力です。1940~50年年代の色合い、風合いを求めるなら間違いありません。
秋にリリースされるカウボーイスーツ・36モデルセットアップが耳目を集めるなか、コッパーボタンの47モデルも登場。コレは惹かれます。
マーケットのニーズよりも自分たちが身に着けたいものを優先して製品化してきたウエアハウス
ウエアハウスの凄いところはマーケットのニーズよりも自分たちが身に着けたいものを製品化してきたところにある、とショップのオーナーから伺ったことがあります。
その再現レベルは他のメーカーやブランドには到底真似のできないものです。なぜなら採算は二の次でなのです。それゆえ厳しい時代もあったと聞きます。
製造方法も大量生産は不可能な製法ばかりです。デニムのみならずスウェットやTシャツに至るまでファストファッションブランドのそれとは根本から異なるものです。
商品の納期は不安定、在庫は不足気味、価格は決して安価とはいえない、現在のマーケティングには不合格要素ばかり。
それでも妥協や迎合することなく「好き」を貫いたところに、アメカジや古着を愛するユーザーが集まっているのでしょう。
こんな時代であるからこそ誠実な商品を開発し生産し続けるウエアハウスを応援したいと思います。
コメント